職場のブレストうまくいってますか? ~沈黙のブレストのすすめ~
「例のプロジェクトどうなってる?」
「ちょっと行き詰ってまして」
「OK、ちょっとブレストしよう。午後一部屋取っておいて」
「わかりました。メンバを集めます」
職場でよくある会話ですよね。「ブレスト」って気軽にやりますけど、ちゃんと機能してますか?
ブレストの基本ルールを確認してみましょう。
- 質より量を重視、自由な発言
- 上司、部下は関係なし 否定の禁止
- 人の意見にどんどん乗っかって広げていく
- 無理に結論に誘導しない
およそこんなところでしょうか。何しろブレストの目的は突破口になりそうなアイデアを出すことです。まずは数を出すことがとても大事です (アイデアの絞り込みは別の方法がありますがそれは別の機会に)。
さて、「そんなことわかっているよ」という声が聞こえてきそうですが、結局のところぜんぜん議論が盛り上がらず、予定調和な感じで、チャイムが鳴ったらシャンシャンみたいなことになってませんか?
そんなこんなで、「ブレストやるだけ時間の無駄だよ」ってことになってしまっていませんか?そうだとするととても残念ですね。
社外のワークショップでも、ブレストやそれに近い議論が行われることがありますが、生産性の高い議論のお作法、いわゆる「ダイアローグ」に慣れている人が多いので、おおいに議論が盛り上がって、高確率で思わぬ気づきに出会えるものです。では、職場のブレストはなぜ機能しないのでしょうか。
私の経験ではだいたい以下のようなことが原因になっていると思います。
- 完璧主義に陥ってしまい、自分の意見に自信がなく、なかなか発言できない
- 人の意見に対する批判の方が楽なので、ついそちらに逃げてしまう
- 威圧的なマネージャーが場を仕切ってしまう
- そもそも、積極的に発言すること自体が苦手
以上は日本人のチームに割と典型的な状況だと思います。いくら頑張ってファシリテートしようと思ってもなかなかうまくいきません。そんなときにおすすめなのが、沈黙のブレインストーム=サイレント・ブレインストームです。沈黙のブレストといっても、スティーブン・セガールが出てくるわけではありませんのでご安心ください(笑)。とても簡単ですので試してみてはいかがでしょうか。
サイレント・ブレインストームの手順
基本は以上です。いくつか注意点を書きます。
3. のときは、ファシリテータへの質問以外は無言で行います。また、「最低5件書いてください」などと声をかけて、必ず何らかの意見を書いてもらいます。
4. のときは、例えばホワイトボードに貼りだして分類するなどして、次の議論に進めます。このとき、補足説明が必要なポストイットについては、「これはどなたの意見ですか?補足をお願いします」などと問いかけるのがよいでしょう。
ここで、相乗りするような意見が出てきたら、ファシリテータがポストイットに書き込んでどんどん貼っていきましょう。
ファシリテートがうまく運ぶと、だんだん、本当のブレストのようになってきます。そうなったら、場の流れに身をまかせてみましょう。
いかがでしたか。「うちの職場はシャイなメンバが多いな」と思われている方は特におすすめです。
この方法には元ネタがありまして、ずいぶん前ですが吉田耕作先生の小集団活動で教えていただきました。参考にリンクをのせます。
ジョイ・オブ・ワーク推進協会
https://www.facebook.com/jowpa/
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。