おっさん理系商社マンのブログ

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突発性難聴は脳が創り出したまぼろし ~思考の整理による苦痛からの脱出 番外編~

 

突発性難聴ってご存知でしょうか。浜崎あゆみさんや、最近では、KinKi Kids堂本剛さんもかかった病気であり、慢性化して治りにくいことでも知られています。もし、この病気の多くも、脳が創りだしたまぼろしだとしたら・・・

今回は腰痛三部作に続く、渾身の番外編をお届けします。

 

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2016年の夏ごろだったと思いますが、朝起きたら左耳に強い耳鳴りがありました。「キーン」という音が鳴り続けている状況です。出張続きで疲れも溜まっていたのでしばらく休んでいれば収まるだろうと思っていましたが、耳鳴りが薄れてくると左耳の聴力がほとんどなくなっていることに気づいて愕然としました。

 

みなさん、片方の耳が聞こえなくなってもそれほど不便はないだろうと思っていませんか?それが結構不自由になるのでびっくりしました。左側の音が聞こえないのは当然ですが、右耳で聞いている音も音場感がなく聞き取りにくくなるのです。特に感じたのは雑音と人の話し声の分離がうまくゆかず、極端に会話能力が落ちます。大事な会議だけ無理して参加したのですが、その場から逃げ出したくなるくらいでした。

 

また聞こえない左耳もレベルは落ちたものの耳鳴りが続いているし、なんか閉塞感というか独特の不快さがあって気になります。妻の勧めでとりあえず耳鼻科の診察を受けることになりました。両耳の聴覚検査をしましたが、左はほとんど聞こえませんでした。超大音量にしてかろじて骨伝導で音を感じるというひどい状況です。

 

一般に突発性難聴の原因は、大音量を聞き続けたなどによる内耳の疲労や、ストレスによるもの、とあります。大音量は聞いていないので、疲れかストレスが原因と思えました。いくつか思い当たることもありました。これは乗り越えるしかない。

 

しかしいろいろ調べてみると、突発性難聴の直接的な原因はあまりよくわかっていないということがわかりました。内耳の機能になんらかの支障が出ているのは間違いないのですが、それが炎症によるものなのか、神経性のものなのか、はたまた血流によるものなのか、ということがよくわかっていないのです。そこで処方される薬って、ステロイド剤(炎症対策)と、ビタミンB(神経対策)と、血管拡張剤(血流対策)と、胃薬(薬による胃の荒れを抑制する)なんです。とりあえず、飲んどけって感じですよね(笑)

 

しかも、医師が必ず言うことが、

 

医師「1週間たって改善していなければ、このまま慢性化する可能性が高いです」

 

はい、出ました。医療迷信による「呪い」。そうなんです。私気づいてしまったのです。「これって、腰痛のときと同じやつや!」って。とはいえそこに行きつくまで1週間かかってしまいましたけどね。腰痛のときと同じように落ち込み、症状が悪化し、藁をもすがる思いで情報を検索し、その過程でようやく気付いたのです。人間パニックになると冷静さを失いますよね。情けない。

 

発症してからすでに10日近く経ってしまっていて、改善はなかったので、はい、慢性化決定という状況だったのです。その失意の中で、「呪い」に気づきました。

 

そこで、椅子に深く腰掛けて、リラックスし、「はいはい、耳鳴りさん、君の言いたいことはわかったよ。ま、仕方ないよね。死ぬわけでもないし。」みたいな思考の整理を始めました。そしたら、急速に回復して、発症から2週間すぎるころにはほぼ元通りになっていました!おめでとう自分!

 

実はこのリラクゼーションには、耳鼻科医の山下先生のページがとても役に立ちました。すごくおだやかな先生なんです。

 

www.miminari-web.net

後でわかったのですが、山下先生は腰痛編でご紹介した長谷川先生のページに感銘を受けて、突発性難聴でも成り立つはずだということでこの方法を考案されたんだそうです。世界はつながってますねえ。さてここでエビデンスを示しましょう。やはり科学的でなければ!

 

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左から順に、①発症直後、②1週間後、③2週間後、の聴力検査の結果です。

 

①左がかなり聞こえない状況です。ちょっと不安な状況。

②なんと悪化しています。左の聴力はほぼゼロです。慢性化を通告された瞬間。

③なんと思考の整理により、1週間で左耳の聴覚がほぼ正常に戻っています。やった!

 

そして、③のときの医師のことばがとても印象に残っています。

 

医師「まあ、まれにこういうこともあります。あなたラッキーでしたね。」

 

申し訳ないけど、私、笑いをこらえるので精一杯でした。そりゃそうですよね、だってホントの原因はわかっていない病気なんだから、あてずっぽうの対症療法しかできないんだから。そこで、はたと気づいたことがあります。

 

1週間で改善がないと慢性化する、っていうけど自然に治っちゃった人はわざわざ確認の診察を受けないから、そもそもエビデンスの母数がおかしいんじゃないの?ということです。実は慢性化する人の確率はかなり低いのではないかとさえ思います。

 

さらに言うと、「1週間で改善がないと慢性化する」という「呪い」の影響で回復せず悪化する人も相当数いるのではないでしょうか?

 

ともあれ、両耳がちゃんと聴こえるって、感謝すべきことなんです。そこに気づけたのは幸いでした。その後も1回だけ、左耳の聞こえが悪くなり、軽い耳鳴りがしたことがありましたが、思考の再整理により、今度は3日でもとに戻りました。

 

左耳さん、右耳さん、今日もありがとう。

 

今日も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

 

※本記事の内容は、筆者の個人的経験と見解に基づくものです。