先輩が結婚したので、転職しました ~偶然と選択バイアス~
私は48歳で転職したのですが、その理由は「先輩が結婚したから」でした。
いったいどういうことでしょうか?
ひそかに想いを寄せていた先輩が結婚して自暴自棄になり転職したというのでしょうか・・・まさかね(笑)
みなさん、今の自分の立場を振り返って、いったいいつのどの選択がいまの人生を決めたのだろうと考えることはありませんか?もしくは、新しい人生の選択を前にどちらを選ぶべきかと思い悩んだこともあるのではないでしょうか。今日はそんなお話をしてみたいと思います。
その前に、私の転職についてですが、振り返ってみるとこんな感じだったのです。
職場で、ある噂を聞きました。すでに卒業(退職)された先輩の女性がご結婚されたというのです。当然私は、「誰と?いつ?」と質問したのですが、「さあ。本人に聞いてみれば」と言われたので、早速メールしてみることにしました【選択①】
To:先輩
こんにちは、おひさしぶりです
ところで風の便りで聞いたのですがご結婚されたそうですね?
おめでとうございます!
From:先輩
噂が伝わるのは早いですね。ありがとうございます!
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ところで、こんどワークショップを主催するのだけど、手伝ってもらえませんか?確かそういうの興味あるんでしたよね。
ん?なんか予想外の展開ですけど、確かにワークショップの運営側に回るのって面白そうだったから、お手伝いすることにしました【選択②】
ワークショップは、業界で著名なT氏の基調講演と引き続いてのグループワークでした。結構参加者も集まりましたし、ワークショップは成功しました。基調講演の内容がとても興味深かったので、さっそくFaceBookでT氏に友達申請して【選択③】、受理していただきました。
このことがご縁となり、T氏とはFaceBook上でのやりとりが続いたのですが、半年ほどたったころ、転職のお誘いを受け、いろいろありましたが、結局そのお話をお受けして転職することを決意しました【選択④】
整理してみますと、
【選択①】先輩に「結婚おめでとうございます」のメールを送信
【選択②】先輩が主催するワークショップの手伝いを引き受ける
【選択③】ワークショップで基調講演をされたT氏に友リクを送る
【選択④】T氏からの誘いを受け転職を決意する
これが、転職に至る私の「選択」の流れです。ですから、途中を省略すると、このブログの表題のとおり、
「先輩が結婚したので、・・・転職しました」
で間違っていないでしょう?(笑)
みなさんも、人生の一大決心=選択をされたことが何度もあると思います。部活、大学、ゼミ、就職、友人、恋人、生涯の伴侶、などなど。そのどれかひとつを選んで、私のように選択の経緯をたどってみてください。驚くほど、ささいな、ちょっとした選択がその後の人生を決めていることに気づいて驚くのではないでしょうか?
人生は偶然の連続です。「偶然」という表現がしっくりこないのなら、「ご縁」、「運」などと読み替えていただいても結構です。運やご縁は自分ではどうしようもできません。しかし、それをきっかけとして次の行動を選択することはできます。そしてこの選択の連鎖こそが人生を形作っているといっても過言ではないのです。つまり、
選択の連鎖 ≒ 人生
こうなると、「今日どの洋服を着ていくか」、「ランチに何を食べるか」、「電車で行くか徒歩にするか」、日々のささいな選択を慎重にすべきではないかという気になってきます。AかBか選択後の仮説思考をめぐらせて、少しでも期待利得が大きい方を選んでいけばよいのでしょうか?
さすがにそれは無理です。神経衰弱して疲れますし、何より人生が重苦しいものになってしまいます。想像してください、一歩目を右足にするか左足にするかでいちいち悩む人生を。もっとおおらかで自然に生きたいじゃないですか。
とはいえ、よい選択を重ねてもっとなりたい自分、なりたい人生に向かいたい、それもまた人情です。そのために重要な考え方のフレームが、「選択バイアス」という考え方です。日々の細かな選択はすべて、その人の性格や考え方に支配されています。つまり選択にはくせがあるのです。このくせを理解して、選択バイアスを少しずらすことで、驚くほど人生は変わっていきます。
例えば、
「安全で楽な方を選ぶ」と「きついけど面白そうな方を選ぶ」
「これまで経験したことを選ぶ」と「新しいことを選ぶ」
などです。もしかしたら、
「朝食を食べない」と「朝食を食べる」
で何か変化が起きるのかもしれません。どんな変化かはわかりませんが、試してみる価値はありそうです。仕事のやり方や、友達とのかかわり方、放課後の過ごし方など、ちょっとした選択の違いを試す機会はたくさんありそうですよね。
「選択の科学」で知られているコロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授によれば、一般人の一日の選択は平均70程度なんだそうです。これって、単純に考えれば、選択の組み合わせで、1日だけで、2の70乗の可能性があるということですよね。驚くべきことです。教授は、「選択日誌」というものを勧めています。これは、日々の選択を記録することによって、個人の選択のくせ、選択バイアスを明らかにするというアプローチです。
ここで、シーナ・アイエンガー教授のTEDのプレゼンテーションがありますので、ご紹介しましょう。
最後に。
自分の人生の方向を大きく変える実験をしてみたかったら、今日から、自分が考えた選択と逆の選択を選ぶことを心がけてみましょう。
その結果なにが起こるかは・・・お楽しみです
最後までお読みいただき誠にありがとうございます。