おっさん理系商社マンのブログ

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中年転職 48歳でも遅くなかった ~転職準備編~

 

「中年転職」

 

最近こんな言葉をよくみかけるようになりました。先日もNHKクローズアップ現代でとりあげられ、ネット上でも議論が巻き起こっています。

 

www.nhk.or.jp

私は、現在52歳ですが、48歳のときに、半導体系メーカから総合商社に転職しました。そしていま、転職してよかったなと心から思っています。そこで、少しでもみなさんの参考になればと思い、私の転職の顛末を、転職前後を含めて、3回にわたって書いてみようと思います。今回はその1、転職準備編です。

 

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※写真はイメージです

 

私は半導体系のメーカーで20年あまり開発に取り組んできました。大学院を出ての就職だったので入社時期こそバブル後ですが、世代的にはバブル世代です。社員の年齢分布でも一番多い世代です。

 

いま振り返れば、入社時から業界の衰退はゆっくり始まっていたのですが当時は知る由もなく、このまま定年まで会社員人生を全うすると思ってまったく疑っていませんでした。29歳で結婚して、すぐに長男を、3年後に長女を授かり、30代は子育てにあけくれた記憶しかありません。

 

ちょうど40歳を迎えるころ、会社で、「節目研修」というものがありました。自分のこれまでの職責を振り返り、好きなこと、得意なことはなにか、これからの心構えはどうするか、性格診断などいろいろなワークを取り入れた研修でした。

 

いま思えば、この「節目研修」がのちの転職への布石になっていたと思います。当時、転職はまったく考えていませんでしたが、とはいえ、このまま惰性でキャリアを重ねていてよいのだろうか、もっとなにかできるのではないか、という思いがありました。

 

私は技術開発のマネージャをしていましたが、事業化活動のなかで、技術面だけの取り組みに限界を感じており、マーケティングや、事業戦略、人材活用に興味が湧いていたころです。「節目研修」では、自分がこの先やりたいことをビジュアルに表現してみようという課題がありました。これがそのとき描いた図です。

 

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「節目研修」は自分を振り返るとてもよい機会だったと思います。自己分析レポートを事前に提出して、人材コンサルの方から丁寧なアドバイスをいただきました。ただ、当時もったいないなと思っていたのは、「節目研修」をめんどくさそうに感じている同僚たちでした。自己分析レポートもろくに書かないので、せっかくのアドバイスももらえない。会社に対していろいろ不満はあるにせよ、こういう機会に真剣に取り組めるかどうかは、あとあと効いてくると思います。

 

私に対するアドバイスは、「専門性が高いのはよい。シニアになり、経営のことも勉強するとバランスがとれるだろう。当面はこの会社でキャリアを積んでいきましょう。」というような内容でした。このアドバイスにも触発され、その後、社内のMOT研修や、小集団活動に参加し、そこでのご縁で、44歳の時にビジネススクールに派遣していただくことになったのです。

 

そこに至るまでにも、紆余曲折あったのですが、「このままじゃいけないんです」だの「自らが学ばなければマネジメントできません」だの、上司の顔を見るたびにギャーギャーいって、結局いろいろな支援を受けて、学びのチャンスを手にすることができたのです。ビジネススクールなど考えたこともなかったですが、もがいているうちの自然な流れでした。

 

ビジネススクールはシニア向けの1年間のインテンシブコースで、15名ほどのクラスでした。仕事をしながら、水曜の夜と土曜終日の登校、毎日アサインメントと呼ばれる宿題がわんさと出て、まだ子供が小さいのに徹夜続きで、日曜の家族サービスもままならず、ほんとに大変でした。でも、得たものは想像以上に大きかったです。知識とかスキルとかではなく、いろいろなものの見方、とことん考えること、チーム議論の進め方、そして何より多様性に富んだクラスメートとの相互刺激です。彼らとの付き合いはいまでも続いています。

 

当時転職はまったく意識していなかったのですが、いま思えばこの時期に転職に向けた地盤固めができたことは大きかったと思います。整理すると、

 

  1. 40歳の「節目研修」でじっくり自分を見つめなおしたこ
  2. その結果、ビジネススクールでじっくり学ぶ機会が得られたこ

 

が大きかったと思います。

 

転職決行編につづきます。

 

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転職決行編

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最後までお読みいただきありがとうございました。