おっさん理系商社マンのブログ

おっさん理系商社マンが日々感じたことをつづります。関連ブログがこちらにもあります。

エフェクチュエーションとイノベーションの関係

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エフェクチュエーションは起業家の実効理論として知られており、事業開発や起業の経験がある方なら、非常に納得性の高いものです。

 

 

rikei-shoshaman.hatenablog.com

 しかし、一方で「手持ちの手段から始めよ」、「許容可能な損失の範囲で実行せよ」など、いかにも草の根的なイメージがつきまといます。

 

納得性は高いが、これで本当にイノベーションにつながっていくのでしょうか?

 

私の答えはイエスです。

そもそも、エフェクチュエーションの発案者であるサラスバシー教授の研究対象は、実際にイノベーションを起こした起業家たちです。

 

エフェクチュエーションとイノベーションの関係を理解する鍵は、イノベーションのもともとの定義の確認です。

 

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イノベーションの提唱者は、よく知られている通り経済学者のシュンペータです。異なるモノ・コトの組み合わせによってイノベーションが生まれることを「新結合」と言っています。

 

しかし、原典にあたると正しくは、Durchsetzung von neue Konbinationen こそが要諦だと言っています。これは、「新結合の遂行」と訳されました。遂行は意味が弱いので省略されて、主に「新結合」だけが取りざたされているのだというのが私の仮説です。

 

しかし、Duruchzetzung にはもっと強い意味があって、 「貫徹」と言った方がよりふさわしいでしょう。座して動かずというイメージです。

 

したがって、新結合をたゆまず続けること、「新結合の貫徹」こそがイノベーションの真の要諦と考えるべきです。

 

この視点から考えると、エフェクチュエーションの5原則のうち、

 

手中の鳥

クレイジーキルト

レモネード

 

は、新結合の概念に相当し、

 

許容可能な損失

飛行機の中のパイロット

 

は、貫徹の概念に相当することが自然に想像できます。

 

つまり、エフェクチュエーションの5原則の実践は、イノベーションへの近道であるというのが私の解釈です。

 

一見、草の根的で地道なエフェクチュエーションの取り組みが、大きなイノベーションにつながるという発想は、現場の我々を強く力づけるものではないでしょうか。特に企業内のイントレプレナーにとっては大きな拠り所となるでしょう。

 

一見大きなリスクを取るほど、大きなイノベーションにつながる錯覚がありますが、それは多くの場合無謀であるだけかもしれません。

 

リーンスタートアップや、破壊的イノベーションも同様にエフェクチュエーション的視点で整理できると考えています。

 

これはまた別の機会に書きたいと思います。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

エフェクチュエーション ~起業家の思考~

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エフェクチュエーション(effectuation)という言葉をご存知でしょうか?

 

辞書によれば、

 

実施、達成、遂行

 

となります。

 

でも今回論じるのは、新しい起業家理論としてのエフェクチュエーション、についてです。

 

サラス・サラスバシー教授による原著の発表は2008年ですが、日本で訳書が発売されたのは2015年と割と最近です。

 

『エフェクチュエーション―市場創造の実効理論』

http://www.sekigakusha.com/series12.html

 

本書は分厚い学術書ですが、訳者のひとりであり、エフェクチュエーション研究の第一人者である吉田先生の記事がたいへんわかりやすいので以下に引用します。

 

起業家メソッドを学習できる「エフェクチュエーション」とは?〈前編〉

社内イノベーターも必見!世界的な広がりを見せる新理論

https://www.mana-biz.net/2018/01/post-275.php

 

起業家メソッドを学習できる「エフェクチュエーション」とは?〈後編〉

イノベーターの思考法を学ぶ

https://www.mana-biz.net/2018/02/post-276.php

 

原著者のサラスバシー教授によるTEDプレゼンも示唆に富んでいます。

(吉田先生による日本語字幕)

 


エフェクチュエーション TEDxMidAtlantic 2010 Saras Sarasvathy 11 5 10(日本語字幕付き)

 

 エフェクチュエーションの思考法は以下の5つの原則に帰着されます。

 

Bird in Hand

手中の鳥

 

Crazy-Quilt

クレイジーキルト

 

Lemonade

レモネード

 

Affordable Loss

許容可能な損失

 

Pilot-in-the-plane

飛行機の中のパイロット

 

それぞれの説明は吉田先生の記事をご覧ください。

 

実践上のヒントについておいおい書いていきたいと思います。

 

いわゆる、「やってみなはれ」に通ずる思考ですので納得性があると思います。

 

今日も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

 

※本記事の内容は、筆者の個人的経験と見解に基づくものです。

 

 

 

 

突発性難聴は脳が創り出したまぼろし ~思考の整理による苦痛からの脱出 番外編~

 

突発性難聴ってご存知でしょうか。浜崎あゆみさんや、最近では、KinKi Kids堂本剛さんもかかった病気であり、慢性化して治りにくいことでも知られています。もし、この病気の多くも、脳が創りだしたまぼろしだとしたら・・・

今回は腰痛三部作に続く、渾身の番外編をお届けします。

 

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2016年の夏ごろだったと思いますが、朝起きたら左耳に強い耳鳴りがありました。「キーン」という音が鳴り続けている状況です。出張続きで疲れも溜まっていたのでしばらく休んでいれば収まるだろうと思っていましたが、耳鳴りが薄れてくると左耳の聴力がほとんどなくなっていることに気づいて愕然としました。

 

みなさん、片方の耳が聞こえなくなってもそれほど不便はないだろうと思っていませんか?それが結構不自由になるのでびっくりしました。左側の音が聞こえないのは当然ですが、右耳で聞いている音も音場感がなく聞き取りにくくなるのです。特に感じたのは雑音と人の話し声の分離がうまくゆかず、極端に会話能力が落ちます。大事な会議だけ無理して参加したのですが、その場から逃げ出したくなるくらいでした。

 

また聞こえない左耳もレベルは落ちたものの耳鳴りが続いているし、なんか閉塞感というか独特の不快さがあって気になります。妻の勧めでとりあえず耳鼻科の診察を受けることになりました。両耳の聴覚検査をしましたが、左はほとんど聞こえませんでした。超大音量にしてかろじて骨伝導で音を感じるというひどい状況です。

 

一般に突発性難聴の原因は、大音量を聞き続けたなどによる内耳の疲労や、ストレスによるもの、とあります。大音量は聞いていないので、疲れかストレスが原因と思えました。いくつか思い当たることもありました。これは乗り越えるしかない。

 

しかしいろいろ調べてみると、突発性難聴の直接的な原因はあまりよくわかっていないということがわかりました。内耳の機能になんらかの支障が出ているのは間違いないのですが、それが炎症によるものなのか、神経性のものなのか、はたまた血流によるものなのか、ということがよくわかっていないのです。そこで処方される薬って、ステロイド剤(炎症対策)と、ビタミンB(神経対策)と、血管拡張剤(血流対策)と、胃薬(薬による胃の荒れを抑制する)なんです。とりあえず、飲んどけって感じですよね(笑)

 

しかも、医師が必ず言うことが、

 

医師「1週間たって改善していなければ、このまま慢性化する可能性が高いです」

 

はい、出ました。医療迷信による「呪い」。そうなんです。私気づいてしまったのです。「これって、腰痛のときと同じやつや!」って。とはいえそこに行きつくまで1週間かかってしまいましたけどね。腰痛のときと同じように落ち込み、症状が悪化し、藁をもすがる思いで情報を検索し、その過程でようやく気付いたのです。人間パニックになると冷静さを失いますよね。情けない。

 

発症してからすでに10日近く経ってしまっていて、改善はなかったので、はい、慢性化決定という状況だったのです。その失意の中で、「呪い」に気づきました。

 

そこで、椅子に深く腰掛けて、リラックスし、「はいはい、耳鳴りさん、君の言いたいことはわかったよ。ま、仕方ないよね。死ぬわけでもないし。」みたいな思考の整理を始めました。そしたら、急速に回復して、発症から2週間すぎるころにはほぼ元通りになっていました!おめでとう自分!

 

実はこのリラクゼーションには、耳鼻科医の山下先生のページがとても役に立ちました。すごくおだやかな先生なんです。

 

www.miminari-web.net

後でわかったのですが、山下先生は腰痛編でご紹介した長谷川先生のページに感銘を受けて、突発性難聴でも成り立つはずだということでこの方法を考案されたんだそうです。世界はつながってますねえ。さてここでエビデンスを示しましょう。やはり科学的でなければ!

 

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左から順に、①発症直後、②1週間後、③2週間後、の聴力検査の結果です。

 

①左がかなり聞こえない状況です。ちょっと不安な状況。

②なんと悪化しています。左の聴力はほぼゼロです。慢性化を通告された瞬間。

③なんと思考の整理により、1週間で左耳の聴覚がほぼ正常に戻っています。やった!

 

そして、③のときの医師のことばがとても印象に残っています。

 

医師「まあ、まれにこういうこともあります。あなたラッキーでしたね。」

 

申し訳ないけど、私、笑いをこらえるので精一杯でした。そりゃそうですよね、だってホントの原因はわかっていない病気なんだから、あてずっぽうの対症療法しかできないんだから。そこで、はたと気づいたことがあります。

 

1週間で改善がないと慢性化する、っていうけど自然に治っちゃった人はわざわざ確認の診察を受けないから、そもそもエビデンスの母数がおかしいんじゃないの?ということです。実は慢性化する人の確率はかなり低いのではないかとさえ思います。

 

さらに言うと、「1週間で改善がないと慢性化する」という「呪い」の影響で回復せず悪化する人も相当数いるのではないでしょうか?

 

ともあれ、両耳がちゃんと聴こえるって、感謝すべきことなんです。そこに気づけたのは幸いでした。その後も1回だけ、左耳の聞こえが悪くなり、軽い耳鳴りがしたことがありましたが、思考の再整理により、今度は3日でもとに戻りました。

 

左耳さん、右耳さん、今日もありがとう。

 

今日も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

 

※本記事の内容は、筆者の個人的経験と見解に基づくものです。

腰痛は脳が創り出したまぼろし ~思考の整理による苦痛からの脱出 その3 腰痛と戦う情報集(永久保存版)~

 

前回は、医療迷信や誤謬に基づく「呪い」を思考の整理によって否定していくことで、腰痛の地獄から脱出した私の体験談をお話ししました。でもこれってどういうことなのでしょうか。そしてどうやって実践すればよいのでしょうか。今回はこれにお答えするとともに、有用な情報をご提供します。腰痛持ちのあなたにとっての福音となることを願ってやみません。

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腰痛発生のメカニズム(と思われていること)

一般に腰痛の原因は、なんらかの外的要因もしくは炎症などの内的要因によって、腰椎周りの神経が刺激されるからだといわれています。一番よく知られているのは、いわゆる椎間板ヘルニアで、これは椎間板の一部が変形したり飛び出して腰椎周辺の神経を圧迫するから痛むのです。下記は、画像診断により椎間板ヘルニアが認められた例です。

 

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この発症モデル、いわば腰痛の器械的発症モデルはレントゲンやMRIによる画像診断で確認することができるので、納得性が高く医師も含めて広く信じられています。しかしこれって本当でしょうか?ある研究で、腰痛を感じない健常者の方々の画像診断を実施したところ、一定の確率で椎間板ヘルニアが認められたそうです。このようなエビデンスに基づく統計的な医療の解釈では、椎間板ヘルニアが腰痛の直接原因であるとは必ずしも言えないというのが、医療研究の科学的な結論なのです。

 

大脳が再生する痛みの記憶

ところで、このブログのタイトルは「腰痛は脳が創りだしたまぼろし」とありますが、それはどういう意味なのでしょうか。「椎間板ヘルニアのような腰痛の器械的発症モデルは必ずしも正しくないのではないか」、「例えばストレスのような心理的要因が痛みを起こしているとは考えられないだろうか」という仮説に基づき、まだ一部ではあるけれども、国内でも、整形外科と心療内科の連携による総合的な研究や実験的診療が始まっています。

 

ある研究によれば、腰椎の周囲にはまったく問題がないのに強い痛みを訴える患者さんの脳波を調べたところ、視床下部や大脳皮質といった痛みを感じる部位に活性化の傾向が見られるといいます。この仮説は近年少しずつ受け入れられるようになりました、2015年にはNHKスペシャルでも取り上げられました。

 

NHKオンデマンド 腰痛・治療革命 ~見えてきた痛みのメカニズム~(2015年放送)

※会員登録で一部動画が無料で視聴可能です。本編の視聴は有料となります。

 

つまり、客観的には痛みはないはずなのに、大脳の働きによって強い痛みを感じる症例があるということがわかってきたのです。このような現象が起こる原因はいくつか考えられますが、例えば一度経験した痛みに対する恐怖の再生であったり、場合によっては心理的ストレスが引き金となる場合もあるでしょう、潜在意識が今の状況から逃げ出したい、行動を止めたいと考えているような場合です。

 

上記ような恐怖やストレスによる原因はなかなか特定が難しいかもしれません。それは腰痛とは分けて対処すべき問題でしょう。腰痛は脳が創りだしたまぼろしかもしれない、という痛みのメカニズムの理解を深めることで、真因である恐怖やストレスと、症状である腰痛を切り離すことはできます。その方法のひとつが、私が実行した、「思考の整理による苦痛からの脱出」の本当の意味だったのです。

 

たぶんまだ半信半疑の方がいらっしゃると思います、それも致し方ないことです。しかし、これは心理操作とか洗脳の類ではなく、むしろ、今なお多くの方が信じている腰痛に関わる「医療迷信」からの脱却なのです。例えば、腰痛に急性期には、「安静にしていなさい」という指示が出ますし、先ほど紹介した器械的モデルによる痛みの説明も、いまだに多くの人に信じられています。

 

まだ信じられない方はどうか客観的かつ科学的な情報に意識的に触れるようにしてください。例えば要約だけで結構ですから下記の医療従事者向けのガイドラインを読んでみてください。

 

腰痛診療ガイドライン 2012 | Mindsガイドラインライブラリ

上記ガイドラインの解説記事(日経メディカル 2013/12/10)

 

ここではあえて補足説明はしません。ぜひ公平な目で読んでみてください。これは医療現場で参照されるべき最新のガイドラインです。

 

世の中にはびこる「医療迷信」というものは簡単にはなくなりません。そこには闇すら感じます。先ほどご紹介したような素晴らしい番組を放送したNHKでさえ、他の番組では、いまだに、「腰痛の原因は寝返りだった」とか、またあらたな「呪い」を生み出すような内容の番組を放送しているのが現状なのです。

 

思考を整理し苦痛から脱出するための具体的方法

このブログに掲載したリンクやキーワードでみなさんなりにいろいろな情報を探してみてください。私が腰痛と戦った10年前よりは格段に良心的かつ科学的な情報が増えていると思います。ご自分が納得できる情報や対処方法を探して試してみてもよいのではないでしょうか。

 

最後に、ご参考として私が具体的に取り組んだ方法をお伝えします。

 

腰痛治療最前線―TMSジャパン公式サイト

代表:長谷川 淳史 先生

 

シリーズその2でも書きましたが、私は長谷川先生の個人面談とセミナーを受講し、思考の整理による痛みからの脱出をわずか1週間ほどで完成させました。これまで私の体験談に基づいていろいろな情報をお伝えしてきましたが、実は上記ホームページに極めて良質な情報が多く掲載されています。ぜひご覧になってください。気になった書籍を入手して読書療法に取り組むのもよし。また不定期で開催されるセミナーの受講も自信をもってお勧めします。

 

カイロプラクティックなどの物理的療法の併用も効果的です。私がイチ推しのカイロは以下です。よろしければお試しください。

 

bj-chiro.com

 

 腰痛にとって安静は敵です。正しい情報に基づいてすぐ行動してください

 

 これが私からのまとめのメッセージとなります。

 今回も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

 

その1 椎間板ヘルニアの再発

その2 医療迷信とパラダイムシフトの奇跡

その3 腰痛と戦う情報集(保存版) 

 

※本記事の内容は、筆者の個人的経験と見解に基づくものです。

 

 

 

 

 

 

 

腰痛は脳が創り出したまぼろし ~思考の整理による苦痛からの脱出 その2 医療迷信とパラダイムシフトの奇跡~

 

前回は、42歳の厄年で腰椎椎間板ヘルニアが再発したところまででした。ときおり襲う痛みは経験したことのないもので、

 

「舌を噛まないように、タオルをくわえて、うずくまってウゥーと唸る」

 

というさながら、地獄絵図のような状況でした。

 

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こうなると藁をもつかむ気持ちで、なにか参考になる情報はないか、病床で必死になってネット検索しました。爪をもむというのから、ゴムチューブでの逆さ吊りまで、いろいろありましたが、最後に出会ったのがこの本でした。

 

サーノ博士のヒーリング・バックペイン: 腰痛・肩こりの原因と治療 ジョン・E. サーノ

 

注:この本は腰痛持ちにとっては金字塔ともいえるものですが、記述が難しいので、ちょっと誤解を招いたり、少し理論が古いところもあるので、初心者(笑)にはお勧めしません。もっと実用的な良書は別途ご紹介します。

 

当時の私は、Amazonの即日便で注文し、痛みでのたうちまわりながら必死でこの本を読み込みました。腰痛にまつわる医療迷信、医療の誤謬、新しい仮説について書いてあるのですが、これがいちいち目からうろこなのです。

 

さらに調べて行くと、この本の翻訳者の一人である長谷川先生が、腰痛に関する医療迷信と戦う活動をされていることがわかりました。

 

腰痛治療最前線―TMSジャパン公式サイト

 

このサイトにはBBSがあり、腰痛の諸先輩方と会話を始めました。そして、腰痛のかなりの部分は、医療迷信に関わるいわば「呪い」のためであることがわかってきたのです。前回書きましたが、私の囚われていた「呪い」は、

 

看護師「必ず再発する」

医師 「2度目の手術は効果の保証ができない」

   「安静にしていないといけない」

 

というものでした。そして、そのような「呪い」をかけられた瞬間から痛みが強くなるという経験をしたのです。後にわかるのですが、これはそのような「呪い」による思い込み=負のパラダイムが、存在しない痛みを創りだしているかもしれないのです。痛みの記憶の再生といってもよいかもしれません。

 

そしてここからがまさに「奇跡」なのですが、そういう気づきによって、負のパラダイムが徐々に崩れて行き、本当に痛みがなくなってくるのです。

 

まさに地獄絵図のような私の病状でしたが、長谷川先生のホームページや、購入した書籍を何度も読み込むことによって、痛みが軽減するという体験をしたのです。妻が、「きっと立てるよ!」と励ましてくれたので、その晩、家の中で歩行訓練を再開することができました。翌日には数キロの散歩をこなしていました。

 

外出の自信ができたところで、長谷川先生との個人面談、つづいて1日セミナーを受けたところ、腰痛はほぼ完全になくなりました。少なくとも、私の場合は、あの激痛が、すべて大脳が創りだしたまぼろしであったことが証明されたのです

 

ちなみに、長谷川先生のセミナーでは、治療行為のようなことは一切しません。どちらかというと科学的な講義です。医療迷信、医療の誤謬をときに最新の研究成果などを引用しながらひとつひとつ反証していくのです。医療迷信とは例えば、

 

「腰痛の急性期は安静にしなければいけない」

「腰痛の急性期はコルセットが有効である」

「年齢とともに腰痛が悪化する」

「重労働で腰痛が悪化する」

「姿勢が悪いと腰痛が悪化する」

「一度腰痛を患うと癖になる」

「腰痛の原因は椎間板ヘルニアなどによる神経の圧迫である」

 

そして極めつけが、

 

「二足歩行したときから腰痛は人類の宿命である」

 

これ強烈なパラダイムですよね。こんなひどいこと誰が言い出したんだろう。じゃあ進化っていったいなんなんでしょう。憤りさえ覚えます。

 

このパラダイムに対しては、長谷川先生のユーモアあふれる反論がとても印象に残っています。

曰く、「じゃあペンギンは4000万年前から腰痛に苦しんでいますか?」と

(注:筆者の記憶によるものです)

 

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なんか笑っちゃいませんか?

 

「そんな話を聞くだけで、地獄絵図から脱出できる訳などない!」

 

という反論が聞こえてきます。経験されていない方がそう思うのも無理はありません。でも、少なくとも私はこの方法で腰痛の苦しみから脱出しました

 

42歳の厄年の悪夢の話に戻りますが、私はとりあえず有休とリフレッシュ休暇をかき集めて2週間の時間をつくり、セミナー受講の後は、読書療法*と散歩を日課として過ごしました。そして、2週間後には、投薬も手術もなしに、完全に社会復帰を果たしたのです。

 

*読書療法とは、読書による思考の整理で症状が軽くなることです。

 

いまでもときおり腰がうずくときはありますが、そのときは、「あっ来たな、体のメッセージが。はいはいわかってますよ大丈夫だから。」と心の中で唱えるだけで気づいたら痛みのことなど忘れているし、実際痛みはなくなっているのです。

 

これ、本当だったらすごいと思いませんか?

 

次回は、1日セミナーに関するもう少し詳しい情報や、最新の研究に関するリンクなど、保存版的な内容にしたいと思います。

 

その1 椎間板ヘルニアの再発

その2 医療迷信とパラダイムシフトの奇跡

その3 腰痛と戦う情報集(保存版) 

 

今回も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

 

※本記事の内容は、筆者の個人的経験と見解に基づくものです。

 

 

 

腰痛は脳が創り出したまぼろし ~思考の整理による苦痛からの脱出 その1 椎間板ヘルニアの再発~

 

腰痛っていやですよね。朝起きて腰が重いともう何もする気が起きません。ぎっくり腰やった日には、「来週のプレゼンどうすんのよ」と途方に暮れてしまいます。そんな腰痛のほとんどが、脳の創りだしたまぼろしだと言ったらどう思われますか?

 

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 ※写真はイメージです

 

私は極度の腰痛持ちでした。高校時代にラグビースクラムを組んでいたのが遠因だといわれたこともあります。それが、25歳の頃ひどく悪化して最後には立てなくなり緊急入院することになってしまいました。

 

1か月は神経ブロック療法やリハビリを続けて何とか手術しない保存療法で乗り切ろうと思ったのですが、結局あきらめて、ラブ法という切除手術を受けました。腰痛の痛みの原因は、腰椎の椎間板の一部が飛び出て神経を圧迫するからだといわれています。それを切除する根治療法です。

 

結局2か月入院してなんとか社会復帰することができました。そのとき看護師の方から言われたことは忘れません。

 

「いずれ再発するから注意してね」

 

こういう言葉は「呪い」として残るものです。数えで42歳の厄年に見事に腰痛が再発しました。今度は結構重症です。すぐに近所で評判の整形外科に行きました。

 

医師「そうか手術歴があるのか。でも歩けてるし乗り越えられると思うよ」

  「ただ、念のためMRIは撮影しておこうか」

 

私は医師の言葉に勇気を得て、MRIの診断が出るまで毎日ウオーキングして腰回りの筋肉が衰えないように、柔軟になるように取り組みました。しかし、診断は、

 

医師「うーんはっきりしたヘルニアがあるね。」

  「1度手術してるし2度目の手術が有効か微妙だなぁ。運動はだめだよ。安静に。」

 

はい、再び「呪い」が上書きされました。

 

来院時歩いていた私は、診察後突然激痛に襲われ、妻の車になんとか乗って家に帰ったのです。家では安静にしていたのですが、周期的に来る激痛で、

 

舌を噛まないように、タオルをくわえて「ウゥー」と唸る

 

というまるで地獄絵図のような状態だったのです。手術は効果がないかもしれないといわれたし、この痛みでは、働くこともできない。どうすればよいのだろう。藁をもつかむ思いで、ネットを検索し、そして1冊の本と出会ったのです・・・

 

このあとの出来事は驚くべきことの連続なのですが、長くなりそうなので何回かに分けて書こうと思います。すみません。

 

ぜひ、次回以降の展開にご期待ください

 

その1 椎間板ヘルニアの再発

その2 医療迷信とパラダイムシフトの奇跡

その3 腰痛と戦う情報集(保存版) 

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 ※本記事の内容は、筆者の個人的経験と見解に基づくものです。

「所詮サラリーマンだから」ってどういう意味? ~否定の枕詞~

 

「所詮サラリーマンだから」

 

という言い回しに聞き覚え、または心当たりはないでしょうか?これっていったいどういう意味なんでしょうか。

 

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※画像はイメージです

 

「所詮サラリーマンだから」の後に続く言葉としては、

 

~上司の命令には逆らえない

~自分では判断できない

サービス残業しなきゃならない

~冒険なんてできない

 

なんてのがありそうですね。どれも否定的です。

 

「所詮サラリーマンだから、上司の命令には逆らえないよ。」

 

と言われたら、私は迷わず、

 

「ほう。で、それは就業規則の第何条に書いてありますか?」

 

と聞くことにしています(笑)。いまどき、軍隊だってネットワーク組織化してるんですよ。サラリーマンは上司の命令に絶対服従ってどこをどうやったらそういう思考になるんでしょうか。

 

ちょっと古い記事ですけど、ご参考に。

注:全文読むには無料の登録が必要です

 

president.jp

いまや軍隊だって、異論があれば上官にしっかり意見を言うことが奨励されているのです。

 

そもそも、会社のピンチを救った人材ってどういう人だと思いますか?みなさんの会社にも、そういう社員がいると思うんです。その人を思い浮かべたとき、

 

「所詮サラリーマンだから、無理はやめておこう。」

 

というタイプの人でしたか?

 

違いますよね。

 

そうです、「所詮サラリーマンだから」という言い回しには、自己正当化責任回避の意味が含まれているのです。私はこれを勝手に、「否定の枕詞」って呼んでます。そう考えると、否定の枕詞ってたくさんありますよね。

 

「女だから」

「男だから」

「忙しいから」

「所帯持ちだから」

「病気もちだから」

「年だから」

「やったことないから」

 

あと軽く100個は思いつきそうです。ぜひオリジナルの否定の枕詞集を作ってみてください。A4の紙にびっしり書いてみましょう。そうやって、否定の枕詞を顕在意識に刷り込むのです。

 

そうすれば、思わず否定の枕詞が出てきたとき、自分で気づくことができます。気づくことができたら、すぐに意識を書き換えて前向きな言葉に変えて行きましょう。例えばこんな風に。

 

社員A「Bさん、例のプロジェクトの件、助けて欲しいんだけどどうかな?」

社員B「別件で忙しくてそれどころじゃ・・・」

    「・・・と思ったけど、何とか善後策考えてみるよ。明日の午後時間取れる?」

 

どうですか、これだけでだいぶ前向きになりますよね。

 

日々ちょっとした挑戦を重ねていきたいものですね。そうしていけば、ちょっとずつですが、自己効力感 (自分はできるという感覚、セルフエフィキャシー) が増して成長していけるはずです。

 

とはいえ、もしかしたらみなさんの中には、否定の枕詞なんて思いつきもしないし、書き出そうとしても無理だよ、という方がいらっしゃるかもしれません。その方は、強固な固定観念パラダイムにどっぷり浸かっているのかもしれません。そのときはあわてずにじっくり自分と向き合ってみましょう。

 

「象の足かせ」

 

という話をご存知ですか?小象のころから、杭と鎖でつながれた象は、大きく成長して簡単につながれた鎖を断ち切ることができるのに、決してそれをしないという話です。あなたは「象の足かせ」に囚われていませんか。

 

固定観念パラダイムについては、以前に書いた以下のブログもぜひご覧ください。

 

rikei-shoshaman.hatenablog.com

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。